ウミケムシ（海毛虫）に刺された時の対処。腕がなくなるのはガセ。

ウミケムシはカラダの側面に毛を持っており、危険を察知した際に体表から無数の毒針を出します。そのため前提として、素手で触ることは危険なのでやめてください。それでも万が一、ウミケムシに刺されてしまった場合には本記事をご参照ください。

ウミケムシに刺された時の対処方法について

ウミケムシに刺されてしまった場合には、ガムテープやセロハンテープ等で毒針をそっと取り除き、流水で洗い流しましょう。テープは上から抑えてしまうと針が深く入ってしまうので、横から抑えて、引き抜くようにしましょう。

テープが用意できない場合には、流水で洗い流して針が抜けるのを待ちましょう。このとき、こすってしまうと刺さった針が折れて残ってしまうので気を付けてください。流水で流した後は、ティッシュでそっと水分を吸い取ります。この際もこすらないように気をつけましょう。

水分をふき取った後、刺された箇所を光にかざして観察してください。ウミケムシに刺された時は針が何本も刺さっていることが多いので、除去できていない針を見つけたら、再度流水での除去を繰り返してください。

それでも針が残っている場合には、指でつまんで除去することもあり得ますが、針が指に刺さってしまう危険もあるので十分に気を付けてください。また、指でつまむときに針が折れてしまう可能性もあるので、そっと作業をしてください。ピンセットの使用については、指よりも針が折れやすいので、あまりおすすめできません。

完全に針を除去するのはなかなか難しいので、できる範囲で対処してみましょう。もし針がすべて除去できずに残ってしまった場合には、より痛みが続くかもしれません。さらに、毒針を抜いても毒は残るので皮膚が赤くなってくる可能性があります。

もし腫れや痛みが強い場合には、皮膚科を受診してください。腫れがひどくない場合には病院へ行かない人も多いかもしれませんが、心配な場合には、念のため病院へ行くのがよいでしょう。

ウミケムシに刺されると、かゆみを伴う腫れや痛みを生じます。だいたい1日で回復することが多いようですが、かゆみは数週間続くこともあるようです。

なお、ウミケムシに刺されると腕がなくなるという都市伝説があるようですが、通常はそこまでの事態にはならないことがほとんどです。調べてみたところ、SNSでウミケムシに刺された時の痛みを大げさに表現した人がいて、腕がなくなるくらい痛いので気を付けるように注意喚起する意図があったようです。

気を付けるべきシチュエーション

ウミケムシ（海毛虫）に気を付けるべきシチュエーションは、意外と多くあります。海水浴で海中を歩いているときにウミケムシを踏んづけてしまったり、釣りで誤ってウミケムシを釣り上げてしまった場合が代表的です。

意外な状況としては、海水を用いた水槽飼育において、岩などに付着したウミケムシがそのまま水槽に紛れ込み、気付くと大量発生している場合があります。水槽の中の汚れや食べ残しを処理してくれるメリットもあるので、度を超えなければそのままにしておいても問題はないでしょう。

しかしその場合もウミケムシの毒性がなくなるわけではないため、素手で触ってしまうことのないように十分に気をつけましょう。

以下に本記事のポイントをまとめます。

ウミケムシに刺された時の対処は、ガムテープやセロハンテープ等で毒針をそっと取り除き、流水で洗い流す。

テープが用意できない場合には、流水で洗い流す。こすってしまうと刺さった針が折れて残ってしまうので注意。

対処が終わったら、刺された箇所を光にかざして確認。針が残っている場合には再度対処を繰り返す。

指でつまんで針を除去する場合は、指にささらないように注意。

指で針をつまんで除去する場合は、針が折れないようにそっとおこなう。ピンセットは針が折れやすいので微妙。

完全に針を除去するのは難しいので、できる範囲で対処すること。

腫れや痛みが強い場合は皮膚科を受診すること。

ウミケムシに刺されると、かゆみを伴う腫れや痛みがおこる。1日で概ね改善するが、かゆみは数週間続くこともある。

腕がなくなるほどとする都市伝説があるが、現実的にそこまで重くなることはほとんど無い。