「さよならの朝に約束の花をかざろう」は2018年2月に公開された岡田麿里さんを脚本・監督とした長編のアニメーション映画です。映画評論家や大半の観客からは概ね高い好評を博している作品ですが、一部の観客からは「気持ち悪い」との感想が出ているようです。本記事では、それらの意見を取りまとめた上で、その内容を考察していきたいと思います。
※本記事は決して特定の作品や作家を貶める意図はなく、あくまで少数意見としてのアンチコメントのまとめと、それらに関する客観的な考察を趣旨としています。
- 「さよならの朝に約束の花をかざろう」が気持ち悪いとする声を集めてみた
- 大半の観客からは感動の声
- 評論家や専門家からも非常に高い評価
- 「さよならの朝に約束の花をかざろう」が気持ち悪いという意見を考察
- ご都合主義的なストーリと感じてしまう人もいる
- 深夜アニメ的なオタク性を垣間見る人もいる
- 総括:【さよならの朝に約束の花をかざろう】はホントに気持ち悪いのか?
「さよならの朝に約束の花をかざろう」が気持ち悪いとする声を集めてみた
Google検索で映画のタイトルである「さよならの朝に約束の花をかざろう」を入力すると、一番上に「気持ち悪い」という候補が表示されました。これは、そのキーワードで検索をしている人が多いということを示しています。「さよならの朝に約束の花をかざろう」を「気持ち悪い」と感じている人は、それなりの人数が存在していると考えられます。
実際に、そのような感想を持った人の声がありました。
表現はアレかもしれませんが、おそらくこの方は岡田麿里さんの作品を他にも見た上でコメントしている気がします。
なお、コアなアニメファンの岡田麿里さんへの賛否両論については、後述したいと思います。
以下はアンチコメントというわけではないのですが、やはりストーリー展開のあざとさに言及しています。
こちらの声はあざとさにハマってたまるかと思いつつ、結局ハマってしまったようです 笑
アンチコメントの内容から、基本的には感動できるストーリーであるものの、ある種「んっ?」と思われるような成分が、一部の人に違和感を感じさせているような、そんな印象を受けます。その正体については、後ほど考察していきたいと思います。
大半の観客からは感動の声
とはいえ、大半の人はとても感動したとコメントしています。
カラダが震えるほど感動したという声もありました。
かなりの話題作である以上、素晴らしい作品であるのは間違いありません。
素直な気持ちで鑑賞すれば、涙が枯れるほど感動できる名作の一つに数えられるのかもしれませんね。
評論家や専門家からも非常に高い評価
忘れてはいけないのは「さよならの朝に約束の花をかざろう」は基本的には高い評価がされている作品です。中国の上海国際映画祭においては、日本のアニメーションとしては初めて金爵賞(最優秀アニメーション作品賞)を受賞するなど、日本にとどまらず世界中で評価がされています。
また、「君の名は。」等で有名な新海誠監督は作品の出来のよさに思わず嫉妬の念を抱いてしまったと告白しています。
アニメ雑誌の「アニメディア」では、5名のレビュワーの合算が25点満点中で24点を記録するほどの高評価。その他、海外のレビューサイトのいくつかでも、映画やアニメの評論家によって軒並み高い評価が与えられています。
それにも関わらず、なぜこのように高い評価をされている作品に対して「気持ち悪い」と感じてしまう人が生まれてしまったのでしょうか?
「さよならの朝に約束の花をかざろう」が気持ち悪いという意見を考察
大半の観客や、映画やアニメの専門家からは非常に高い評価を受けているにも関わらず、なぜ一部の観客は気持ち悪さを感じてしまうのでしょうか?その要因を理解するには、前提となる岡田麿里さんの作家性を知っておく必要があるかもしれません。
ご都合主義的なストーリと感じてしまう人もいる
脚本・監督を務めた岡田麿里さんは、数々のアニメや映画をヒットへ導いてきた一流の作家でありながら、たびたび脚本の内容について炎上するタイプの作家ではあるのです。たとえば脚本を務めた「機動戦士ガンダム~鉄血のオルフェンズ」に関して、少なくないファンから酷評を受けていたことがあります。
アニメファンも詳しい人ほど、深い洞察眼を持っていることも多いため、厳しくも納得感のある評論がやり取りされています。
思い返せば「さよならの朝に約束の花をかざろう」のアンチコメントにおいても「強引に感動させにきている」という趣旨の発言があったかと思います。つまり、作者の作風として、観客の感情を動かすことが得意な代償として、一部の人からはストーリー展開がやや強引であると感じさせてしまうことがあるのかもしれませんね。
深夜アニメ的なオタク性を垣間見る人もいる
「さよならの朝に約束の花をかざろう」のように、アニメファンに留まらないマス層をターゲットにした映画ではオタク要素は抑え目にしているものの、本来はゴリゴリのアニメ系の作家さんですので、作家性として厨二病っぽい感じや、やや違和感のある異性や同性への愛着の抱き方、登場人物の年齢や容姿に幼さを感じる点など、深夜アニメ的な成分がこぼれ落ちている面があると感じる人もいるようです。
短い意見ですが、言いたいことは同様でしょう。
コアなファンの間では、岡田麻里さんの作家性に対するイメージは共通のものがあるようです。
もっとも、これらは新海誠さんについてもファンから類似の指摘が入ることがあります。あくまで好みの問題であり、それ自体が悪いことではありません。むしろそういった要素を適切な濃度で作品に漂わせることで、作品の芸術性を高めることに一役買っている可能性があるのではないでしょうか?
総括:【さよならの朝に約束の花をかざろう】はホントに気持ち悪いのか?
以下に本記事のポイントをまとめます。
Google検索で「さよならの朝に約束の花をかざろう」と入力すると、一番上に「気持ち悪い」という候補が出てくる。これはそのように検索している人が少なからず存在していることを意味する。
実際にtwitterでは「さよならの朝に約束の花をかざろう」を気持ち悪いと感じている人の声を見ることができる。
しかし大半の観客は素直に感動したとコメントを残していることが多い。
映画やアニメの評論家からも作品は高い評価を受けている。
監督脚本を担当した岡田麻里さんについては、以前からコアなアニメファンの間では好き嫌いが分かれている。
アンチの意見としては、ストーリーがご都合主義であったり、異性同性への感情の持ち方や、登場人物の年齢設定などに違和感を感じると唱える声がある。
ある意味では深夜アニメ感がこぼれ落ちているとも言えるが、逆にそういった要素が適度な濃度で作品中に散りばめられることで、一般層にも歓迎される要因となっている可能性がある。その他の有名どころだと、新海誠さんにも似たよう現象が観測される。そのため、一概に良し悪しは判断できない。